桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ「日程闘争」

2023年06月09日 (金) 12:03
立憲民主党が入管法改正案に反対している。反対しているのは立憲だけではなく、共産党、そしてれいわ新選組である。法案に反対することに異議を唱えるつもりはない。それぞれの政党によって考え方に違いがあることは当然であり、それは尊重されてしかるべきだと考えているからである。

この法案の成立阻止のために、立憲が採っている戦術が日程闘争である。本来この法案は、先週の金曜日に成立する予定だったが、立憲から法務委員長の解任決議案が提出されたため、採決は先送りとなった。昨日は、法務大臣の問責決議案の提出によって、また採決が先送りされた。

これまでであれば、法案を不成立に追い込みたければ、野党がまとまって戦ったものである。しかし、今回の委員長解任決議案も法務大臣の問責決議案も立憲単独の提案である。入管法改正法案に反対している共産党は共同提案者になってはいない。これまでの慣例では、単独提案の場合は議題として取り上げなかったはずだが、現在の自民党の執行部は優しい。

法案を廃案に追い込みたいのであれば、本来は国会の審議で戦うべきである。私は国立大学法人化法の審議の際に、委員会を2週間止めた経験がある。それは、私の質問に文部科学省が答弁できなかったからである。

このように、委員会の審議で戦わなければ、この法案のどこが問題なのかを国民の皆さんに伝えることができないし、共感を得ることも難しいと思う。国会は議論の場である。日程闘争ではなく、議論で問題点を喚起するべきだと感じている。