桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ「本当に残念です」

2019年12月20日 (金) 09:53
望月元環境大臣が永眠されました。衷心より哀悼の誠を捧げます。享年72歳。まだまだ若く、一緒に仕事をさせていただきたかった。本当に残念でなりません。
 
 望月さんとは、丁度、彼が環境大臣だった時に親しくなった。当時、私は環境委員会に所属しており、東日本大震災の被災地で問題になっていた、指定廃棄物の処理問題を追及していた。
 
指定廃棄物とは、放射性物質を多量に含んだ廃棄物である。当時は、県内3か所が最終処分場の候補地となっていたが、風評被害の発生をおそれ、どの市町村も受け入れには消極的だった。そこで、何か良い案はないかと模索し、環境省と長らく議論していた。
 
指定廃棄物に含まれる放射線量は、一定の時間が経てば自然減衰する。放射線にも種類があり、短期間で大幅に減衰するものもあるため、震災発生直後には指定廃棄物とされたもののなかにも、一般廃棄物として処理できるものが相当量出てきているはずだった。放射線量を再調査してもらえれば、指定廃棄物の量を大幅に減らせるのではないかというのが、私が訴えていたことだった。
 
この点を環境省とずっと議論していたのだが、なかなか意見がかみ合わず、足踏みが続いていた。そんな時に、環境省の官僚から、望月大臣は本当に立派な人なので、一度直接会っていただけませんかと言われたのである。
 
官僚がここまで言うならばとお会いさせていただいたが、実際にお会いしてみると本当に気さくで、政治のことばかりでなく、ご自身のことも良く理解されている方だった。だからこそ、官僚からも慕われ、岸田派の事務総長も務めておられたのだろうと思う。
 
こうして、望月さんと直接議論ができたことによって、ようやく指定廃棄物の放射線量の再測定に漕ぎ着けた。調査の結果、やはりと言うべきか、指定廃棄物の量は大幅に減ることが分かった。最終処分場の建設は見送られ、第二の風評被害地を作らなくて済んだのである。環境省を説き伏せて、放射線量の再測定へと踏み切って下さった望月元大臣のおかげである。
 
その後も交流は続いており、時々食事をさせていただく機会もあった。最後にお会いしたのは先月のことだ。杖をお持ちで、糖尿病が悪化したとおっしゃっていたが、まさかお亡くなりになるとは思えなかった。無所属の立場で活動することになった私に、あたたかい言葉をかけていただき、感謝の気持ちでいっぱいだった。
 
本当にお世話になりました。ありがとうございました。安らかにお休みください。合掌。
 
 
 
参議院議員・医師 桜井 充