桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ「年金機構の横暴」

2024年02月29日 (木) 19:21
 コロナ禍は落ち着き、経済は活発に動き出しているが、依然として多くの企業が資金繰りに苦しんでいる。その理由は大きく分けて二つあり、一つはゼロゼロ融資の返済が始まったこと、そしてもう一つは、猶予されていた社会保険料の支払いである。

 コロナ禍においては、国は企業の資金繰り支援のため、実質無利子・無担保の融資であるゼロゼロ融資を行い、また社会保険料の支払いの猶予制度を作って、なんとか企業の倒産を防ごうとしてきた。しかし、コロナ禍が明けた途端、企業は返済と、猶予されていた分の社会保険料の納付に一気に追われることになった。

 コロナ禍が落ち着いたとはいえ、企業がコロナ前と同じ経営状況に戻ったわけではない。業績も回復途上にある中で、コロナ禍を生き延びるために借りたお金の返済が始まったことで、資金繰りは余計に厳しくなっている。

 年金事務所の対応も厳しく、「こういうスケジュールなら納付できる」と社会保険料の分割納付を申し出ているにもかかわらず、なかなか認められずに悩んでいる経営者の方のお話をたびたび聞いている。年金事務所の対応も酷いが、もっと酷いのは日本年金機構を監督する立場の厚生労働省である。

 この状況を放置し、企業を破綻させたら、コロナ禍における企業の救済のための施策にはなんの意味もなくなってしまう。柔軟な対応を求め、厚労省と話し合いを続けている。