桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ「有意義な時間でした」

2023年10月26日 (木) 18:06
先日、東京農工大学の視察に行った。仲の良かった文科省の課長が農工大の学長補佐に就任し、先進的な取組をしている大学なので紹介したいと声がかかったからである。名前は知っているが、正直なところ、他に知っていることはほとんどない、そんな感じだったので、行ってみることにした。
 
大学に着くと、まずは動物病院を案内して頂いた。施設に配備されている検査機械、CTやMRIは最新鋭で、人を診療している病院と何ら違いはなかった。違いといえば、診療は椅子ではなくベッドであり、入院する場所が檻の中であることぐらいである。
 
この病院の経営は、国からのお金で賄っているわけではなく、全て自前で調達する、独立採算制になっている。地域の動物病院とも話をし、必要性を理解して頂いた上で始めた事業なのだという。
 
次に、研究棟に向かった。研究棟の特徴はベンチャー企業が入っていることで、スタートアップ企業を育てることに力点を置いているのだと説明を受けた。時代は変わったと感じた瞬間でもあった。
 
私が見せて頂いたのは先端機械システム部門の研究室である。そこでは、粘度の高いものを勢いよく飛ばせるようにするシステム開発によって、飛行機への塗料の吹き付けや、針のない注射の実現を目指す取組が行われており、とても興味深かった。
 
 飛行機の塗装は極めて重要で、塗装を軽くできれば、それだけ燃費が良くなるからである。ここで開発された方法が従来の方法よりも優れていれば、世界の飛行機産業と組むことができる。針のない注射器は、人の治療だけでなく、動物の治療にも活かせるはずであり、医療のあり方を変えられる可能性を秘めている。
 
視察の後で、千葉学長と文科省出身の学長補佐、そして私の3人で食事をしたが、予定時刻を大幅に過ぎてしまうほど話が盛り上がった。様々なアイディアをお持ちで、意欲がある方々と話ができ、とても充実した、楽しい時間を過ごすことができた。このような機会を設けていただいたことに、改めて感謝したいと思う。