交通政策 Communication Political Measures

速度規制緩和特区

一般道路の速度制限の緩和について特区の申請をしました。

■ 構想の提案内容

 私たちが生活する上で必要なものは様々ある。水や食料そして住宅などは言うまでもないことだが、病院や学校そして道路などの様々なインフラもそうである。その中で、私たちが生活する上で、道路が果たしてきた役割は極めて大きい。物の運搬や人の往来を可能にし、さらに、その往来の範囲や量が増えるにつれて、経済の規模は拡大してきた。経済だけではなく、旅行に行く範囲が広がることや、様々な人との出会いは、私たちの生活の質を変えてきた。そのため、日本全体に道路網を整備し、そのおかげで、どのような地域にも人や物の移動が可能となった。さらに高速道路網を整備し、その移動時間の短縮に努めてきた。つまり、私たちが道路に求めてきたものは、安全にそして効率的に、要するに如何に早く、人や物を移動させるかということである。

 現在どんな田舎でも道路が整備されている。しかし、それらの道路が十分に有効活用されているのかといえば、必ずしもそうではない。何故ならば、安全性を重視するあまり、過剰な速度制限を課しているために、効率的に人や物を移動することができないからである。

 現在、制限速度を守っている人たちの中で、どれだけの人が、安全性の指標として、制限速度を意識しているだろうか。多くのドライバーは、自分たちの安全を確保するために、自分の置かれた状況を把握し、自分の運転技術を認識し、その中で、自分で速度を調節している。つまり、制限速度が安全性の指標になっているとはとても思えないのである。ただし、多くのドライバーは制限速度を遵守しようという姿勢で運転していることも事実である。しかしそれは、自分の安全を守るという観点より、法律違反にならないようにしようという意識のほうがはるかに強いということも付け加えておきたい。
さて、日本の法定速度は、諸外国と比較した場合、適切であると言えるのだろうか。ここで、諸外国の郊外の一般道路と比較してみよう。ドイツ=100km/h、イギリス=96km/h、フランス・イタリア・ポルトガル=90km/h、スイス・オランダ=80km/h等となっている。この数字から分かるように、諸外国と比べてみると、速度制限規制は、かなり厳しい水準に置かれているのである。

 これらのことを総合してみると、現在の速度制限は、現状にあっておらず、さらに各国と比較しても過剰な規制であり、このため、道路の有効活用という点で大きな妨げとなっているということがわかる。
そこで、道路を有効活用し、生活の質を改善し、経済の活性化を図る観点から、現在の過剰な速度制限の上限を緩和することを提案する。
過剰な速度制限の上限を緩和することにより、仮に一日10分間、移動時間を短縮できたとすれば、一年間では3650分の時間短縮となる。これを時間に直せば約61時間となり、2.5日分の時間短縮となるのである。これだけの時間短縮が可能となれば、経済の活性化につながり、さらには生活の質を改善することができる。
繰り返しになるが、移動時間の短縮は人や物の移動がこれまで以上に迅速化・効率化され、産業の活性化を促し、地域経済に寄与するようになるであろう。もう少し具体的に言えば、地方から都市部への農産物、海産物の輸送・配達の円滑化による、需要の拡大、生産拡大である。さらに、タクシー、バス等の公共交通機関による人の移動もより拡大されるということである。

 また、経済的なことだけではなく、救急医療が必要となり、救急車が確保できなかった場合も、速度制限の上限緩和により、病院への移動時間を短縮することができ、適切な医療を受けられるようになるであろう。

 将来的には、一般道路の速度制限の規制緩和は、無駄な高速道路の建設を中止することにつながっていくと考えている。現在、一般道路の中でも、市街地を通っていることや、数箇所信号機があるために、この道路と平行して高速道路を建設しようということが論議されることがある。この問題を、高速道路を建設せずに解決するためには、一部の区間にバイパスを作ることや立体交差化という提案がなされるが、それだけでは不十分である。何故ならば、速度規制を緩和しなければ、高速道路を利用したときと同様の時間短縮は得られないからである。
今回の提案は、安全確保には十分配慮し、速度制限の上限規制を地域や道路の現状に即したものに引き上げ、道路の持つ本来の能力を十分に発揮させることにより、地域の経済の活性化や生活の質の向上を図るための特区です。