住宅政策 Housing policy

衣食住と言われるように、住宅は人の幸福の基本を形づくる重要な要素ですが、日本の住宅の現状は、諸外国に比べて多くの課題を抱えています。

 この原因は様々ありますが、つきつめて考えると、問題は以下のような重層的な形になっていると思われます。

【場所の問題】
 人々が本来住むべきところに住んでいるかどうか
    
【住宅の形態の問題】
 住むべき形の家に住んでいるかどうか
    
【住環境の問題】
 良質な家が整う環境が整備されているかどうか

このような観点に基づいて、私は民主党の住宅担当として以下のような政策を提案しています。今後、党内で議論を進めて、政策案をつめていきたいと思います。

1 住むべき所に住めるようにします

 現在の日本では、多くの人が、1時間以上もかけて通勤したり、居場所が無くて社会的入院をしたり、家族で一緒にいるべきなのに単身赴任などでバラバラに暮らしていたりします。
 これらは全て、本来その人が住むべき所に住んでいない状態です。このことを改善することにより、快適な生活ができ、ひいては多くの問題の解決につながります。

ア 職住近接の実現
働く場所と、住む場所が適度な距離にあることで、便利で快適な生活ができ、有効に利用できる時間を増やすことができます。
これは、国民経済的な損失の回復、通勤ラッシュや道路の渋滞を緩和します。
イ 社会的入院の解消
本来は家族と一緒に住むべき人が、いわゆる「社会的入院」と呼ばれる形で病院に「住」んでいます。
このような人の居場所を確保できるような住宅政策を行います。
このことにより、医療費が削減できます。
ウ 家族で過ごせる住宅政策
単身赴任により家族が離れざるを得ないことが家族崩壊の原因のひとつになっていたり、持ち家に縛られるために就職や仕事の上で不都合が生じたりします。
良質な賃貸住宅を提供したり、中古住宅の流動化を図ったり、適切な居住の優遇措置をはかるなどして、家族が一緒に住みやすい施策を実施します。

2 家を豊かな生活の基盤とします

ア 住宅の質の向上
日本の住宅は、持ち家では欧米と同水準を達成していますが、借家の床面積や一人あたり床面積は狭く、耐用年数も短い状況です。
面積や質を向上させた、長持ちする住宅を作ります。
また、家の資産評価制度(鑑定士)を確立し、住宅履歴情報を普及させ、リフォームの価値を適正に評価した良い物件が市場に出回るようにします。
イ 安全で安心な住宅の推進
国民が安全で安心な生活を送ることが保障されていかねばならず、その意味から、社会的弱者(障害者、高齢者、シックハウスなど)が健常者と同様に暮らせる真のバリアフリーの住宅を普及させ、新耐震基準以前の住宅の早期建て替えを進めます。
ウ 生活様式に合った住宅をつくります
今までの持ち家政策から、国民が自らの生活様式に合った居住形態を選んでいく形に変わっていくべきです。 (現状では提供されていない)
そのために、中古住宅の流通活性化、借家・賃貸住宅の充実促進、コミュニティハウスのような新しい居住形態の追求などを行っていきます。

3 豊かな住宅確保のための環境整備

 豊かな住宅を作り上げていくためには、一戸毎の質を高める施策のほか、良好な環境を整備するための様々な施策が必要です。

ア 適正な国の関与
国民が豊かな住宅に住めるように、国が必要なところに適度な関与を行っていきます。
低所得者が賃貸住宅を確保するための施策を行ったり、持ち家・借家だけでなく、賃貸にもローン減税が効くように税制の不公平を解消したりします。
必要なところ以外は、市場に委ねて、民間中心で住宅づくりを行うようにします。
イ 住宅融資
巨大化した住宅金融公庫につき、融資縮小や第一抵当権の廃止など見直しを行いますが、同時にローン減税や新たな立法措置(金融アセスメント)で従来通り住宅取得ができるようにします。
また、住宅ローン債権市場活性化も長期の施策として取り組んでいきます。
ウ 土地区画整理
効率的な利用がされていなかったり、住宅が密集している土地などを、住民参加により、国・自治体・企業が協力して、短期間で行えるようにします。
エ 規制改革
建築での負担を軽減してマンションを建てやすくしたり、容積率緩和を行うことで、土地の高度利用を図り、良質な住宅を早期に普及させます。