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桜井充メルマガ「大学で講義してきました」

2019年09月27日 (金) 15:22
先日、東北医科薬科大学で「医療コミュニケーション学」というテーマで講義をさせて頂いた。今の学生さん達はとても真面目で、ほとんどの学生さんが寝ることもなく、熱心に耳を傾けてくれた。

心療内科医におけるコミュニケーションはとても難しい。何故ならば、考え方が否定的な患者さんが多いので、良かれと思って言ったことを悪く解釈されてしまうことがあるからだ。

例えば、とある20代の過食症の患者さんに、「考え方を変えれば症状も良くなりますよ」と話をしたところ、「このような病気になったのは私が悪いということですね」と言われ、1時間泣き続けられてしまったことがある。治りますから安心して下さいね、というつもりで話をしたのだが、病気の原因は自分ではなく、自分の母親にあるのだと思っている患者さんにとっては、受け入れられなかったのだろうと思う。

こうしたことは、患者さんに本人に限ったことではない。患者さんの親御さんは、本人同様、一生懸命病気に向かい合い、改善の努力をしているのだが、その方法が間違っているために、残念ながら努力が報われない場合がある。そこで、「もう少し患者さん本人の考え方を理解して接していただけませんか」とお願いしたのだが、「病院に来てまで責められるのでは、私はやっていけない」と言われ、その後診療に来なくなってしまった方もいる。

こうした経験から感じた事は、患者さんご本人が病んでいるだけではなく、ご家族も病んでおり、患者さんと同じように接していかないとうまく治療できないということである。言葉ひとつが、こちら側が意図したことと、全く違った意味に取られてしまい、しかも、その一言で取り返しのつかないことになってしまうことがある。そのため、心療内科の分野でのコミュニケーションはとても難しいのだ。

今回の講義で、学生さんたちにどこまで私の考えが伝わったのかは分からないが、臨床の現場に出た時に、こういうことだったのかと思いだしてもらえればと考えている。少しでも心療内科に興味を持ってもらい、良い臨床医が増えることを期待している。



参議院議員・医師 桜井 充




【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書庄子です。国連気候行動サミットでのグレタさんの演説は大変な衝撃でした。感情的な言葉の印象が先行していますが、演説自体は国連のIPCC報告書等に基づいた冷静で論理的な内容であり、「科学者の声に耳を傾けて」という彼女の訴えを自らが体現したものでした。
 一方で、彼女の演説に含まれていた「経済成長対環境問題」「大人対子供」といった対立の構造には気をつけなければなりません。物事を単純に切り分けて一方を敵と見なすのではなく、それぞれの事情を勘案しながら、経済成長も環境問題の改善も両方遂げられる方法を、世代や立場に関わらずに考え、実行していくことが必要なのではないでしょうか。(庄子真央)