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桜井充メルマガ「現実を知らない人たち」

2019年04月19日 (金) 12:24
 火曜日に入管法に関して質問した。そこでの答弁が、こちらが質問したことに全く答えない、酷いものだった。これでは、きちんとした議論は成り立たない。委員会を乗りきれば良いという考えなのだろうか。無駄な質疑に時間を費やしてしまった。
 
 外国人労働者の受け入れには、業種ごとに人数の上限が定められている。ホテル・宿泊関連では、5年間で2万2千人となっているが、この積算根拠を問うたところ、きちんとした答弁は返ってこなかった。地方の人手不足の状況等、実際の数字から割り出したものではないことだけは分かった。
 
 仮に、5年未満で2万2千人の上限に達した場合はどうなるのかという問いに対しては、それ以上増やす予定はないという答弁だった。これでは、都会にばかり働き手が集まり、地域の人手不足が全く解消されない可能性がある。一定の人数を地域に割り振るべきではという提案を行ったが、ゼロ回答だった。
 
 今回新設された在留資格は、条件を満たした場合、技能実習生から移行が可能である。条件とは、技能実習生として3年働くか、試験に合格することである。
 
 ホテル・宿泊関連の技能実習期間は1年間である。何故1年なのかと言えば、それで技能を習得できるからということだ。少なくとも、これまで政府はそのように説明してきた。そのため、新しい在留資格での外国人労働者として認められるには、試験を受ける必要がある。
 
 ホテル・宿泊関連の試験の要件は、実務経験が2年以上あることだ。技能実習は1年で終わる。彼らが試験を受けるためには、もう1年の経験が必要となる。政府の説明は、技能実習終了後、一旦母国に帰って経験を積めば、受験資格ができるのだということだ。
 
 日本で技能を学んだ外国人の方に、一度母国に帰ってもらい、そこで経験を積み、受験資格を得て試験を受け、合格したら、特定技能1号として認めてやる。それが今の制度なのである。
 
 1年間で技能が習得できるという理屈で実習期間を1年間としているのだから、実習が終わった時点で、特定技能1号に移行すれば問題は解決するはずである。それを、技能実習期間3年間を終えたものだけを試験免除と定めてしまったために、このようなおかしな制度になっている。
 
 法務省の役人は、地域の人手不足の実態を知らない。現実を知らない人たちが制度を作っているために、このような問題が起きている。そうした問題を解決するために、委員会で質問を行っているのだが、法務省側は自分たちの主張を繰り返すばかりであり、絶対に制度を変えようとはしない。これでは、議論が深まるはずはない。
 
 地域の人手不足を外国人労働者で解決することを目指して議論してきたが、今回の議論で、それがとても無理なことであると分かった。頭の固い役人のせいで、地域の崩壊はさらに進んでいく。法務省が外国人労働者の責任官庁になったために、このようなことになっている。法務省のみでは適切な運用ができないのであれば、労働者と言う観点から、所管省庁を厚生労働省に移した方が良いのではないだろうか。
 
 
参議院議員・医師 桜井 充
 
 
 
【秘書のつぶやき】
桜井充秘書庄子です。
日本経済の成長が鈍化していることを受けて、消費税増税の先送りが一部で囁かれています。10%への増税に関しては国民民主党も兼ねてから反対してきましたが、2兆円を超える増税対策が盛り込まれた今年度予算はすでに成立しており、地方自治体の予算も増税ありきで成立しています。販売店などでは軽減税率の導入等に向けた準備が進んでいるほか、幼児教育や保育の無償化の財源も消費税増税分から充てられており、仮に増税が先送りされた場合には、混乱やマイナス面の影響が出ないとは限らない状況です。今になって先送りの話になるようであれば、なぜ野党の懸念を押し切って増税前提の予算を成立させたのか、その責任を問うていく必要があるものと思います。(庄子真央)