桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ「​本庶佑先生とお会いしました」

2019年03月15日 (金) 09:51
 一昨日、ノーベル賞を受賞された本庶佑先生とお会いした。ノーベル賞受賞のお祝いを参議院で行うことになり、私は議運の理事として、その会に参加させて頂いた。
 
議長の挨拶、そして本庶先生の謝辞の後に質疑の時間があったので、2点質問させて頂いた。1つは研究者の処遇、そしてもう1つは製薬メーカーの今後についてである。
 
現在、日本の研究者の処遇は本当に悪い。国立大学法人になり、自由に研究ができると歓迎していたが、ふたを開けてみると運営交付金が減額され、研究する環境がどんどん悪くなっている。
 
財務省は研究費を増やしていると強弁しているが、科研費を受け取れるのは応募者の25%程度。面倒な書類を書かなければならず、受け取れなかった研究者は、無駄な努力をさせられることになる。
 
本庶先生は、若い研究者を増やすために、優秀な研究者に1億ぐらいの研究費をつけるべきであるとおっしゃっていた。そして、研究テーマを指定するのではなく、自分で好きな研究ができるようにするべきであるともおっしゃっていた。
 
製薬メーカーについては、かなり厳しい意見だった。日本という巨大市場があり、さらに国民皆保険制度があり、その結果、日本の製薬メーカーは守られてきたので、外国の製薬メーカーとの競争力を失っているという事だった。
 
これを解決するためには、もっと製薬メーカーが大きくなり、研究体制を充実させる必要があるとおっしゃっていた。そして、これが実現できなければ、日本の製薬メーカーは外国資本に吸収されるであろうと、本当に厳しい話をされていた。
 
本庶先生のご指摘は非常に的確で、政府はこのような声を素直に聞き入れるべきであると感じた。前回のメルマガでも書いたが、このままでは日本は世界の2流国に成り下がってしまう。改めて、研究体制の確立のために努力していきたいと思う。
 
 
参議院議員・医師 桜井 充
 
 
【秘書のつぶやき】
桜井充秘書庄子です。厚生労働省で「授乳・離乳の支援ガイド」の改定が進んでいます。最新の科学的な知見に基づいて、「母乳にはアレルギー疾患の予防効果はない」といった情報が盛り込まれるようです。
2015年の乳幼児栄養調査によると、乳児を母乳で育てたいと考えている妊婦は9割を超えているものの、実際に生後3ヶ月の時点で母乳のみで育てている親は約半数で、母乳とミルクの併用が35%と続きます。ミルクが一般的に利用されていることが分かりますが、この調査が行われた2015年には、母乳がネット販売されているという報道から、厚労省が注意喚起の通知を出す出来事もありました。
 母乳への過度な期待は親にとって負担になり、結果として子どもに悪影響を及ぼすことにも繋がりかねません。正確な情報提供により、育児への不安感を少しでも減らしていくことが重要であると改めて思います。(庄子真央)