桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「与党の役割」

2012年03月01日 (木) 18:37

 昨日の党首討論を見ていて、両者とも消費税の引き上げは避けられないと考えているのだから、どうすれば引き上げられるのかという議論をするべきではなかったのかと思っている。
 具体的に言えば、自民党としては、このような理由で消費税の引き上げが必要だと考えており、この点について理解できるのかとか、民主党の政策のどの点が納得できないから、現時点では賛成できないのかというように、もう少し建設的な議論が必要だったように感じている。
 消費税の引き上げは、社会保障改革と一体となっているが、実際は、財政再建のためにも必要なのである。これだけ借金が膨れ上がり、かつ国民負担率が低いのだから、なんらかの形での増税は避けられないのである。
 因みに、税と社会保障を合わせた所得に対する国民負担率は、日本は38.9%であり、先進国の中で日本より低いのはアメリカだけである。ヨーロッパは日本よりも高く、イギリスが49.2%、ドイツが52%、フランスが62.4%、そしてスウェーデンが66.2%となっている。
 一方、例えば、消費税引き上げによる景気の減速や、価格転嫁できない企業をどうするのかという問題点に対する十分な答えがないから、引き上げに慎重なグループが出てくるのである。私たちは与党であり、この点に明確に答えを出す必要がある。
 前者に関しては、以前から成長戦略特別会計を作って、成長戦略に対して集中的にお金を投じることにより、景気回復を図っていくべきであると考えている。また、後者に対しては、企業間の力の差があるから価格転嫁できないわけであり、優越的地位の乱用を取り締まることが重要になってくる。
 実は、このことは消費税の引き上げとは無関係に、対策を取らなければならないことである事は言うまでもない。与党なのだから、消費税引き上げをできない理由を言うのではなく、できる条件を整えることを行わなければならないと考えている。
                  参議院議員・医師 桜井 充

 ※国民負担率について日本は2009年、その他は2006年


【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
 半導体大手のエルピーダメモリーが会社更生法を申請いたしました。前職に勤めていた企業が主幹事だったことから思い入れの強い企業であっただけに大変残念でした。
最近、日本のお家芸ともいうべき産業で不調が続いています。これまでは日本の高い教育水準による高品質なものをより追求してきたことにより、大きな成長を遂げてきたわけですが、現在は新興国の追い上げなどにより大変苦戦を強いられています。為替が円高であるということも原因の一つですが、他国の教育水準の上昇が苦戦の背景として存在することは否めないと思います。
 もの作りにしろ、最終的には人が作る物です。今後の日本の未来を考えると、厳しい財政状況ではありますが、教育水準と科学技術力をいかに上げていくかが最終的に日本の国力の向上の大きなポイントであると考えています。前回のブラック企業のお話の続きになってしまいますが、企業でも従順・安価な人材をいかに獲得するかという事も重要なのかもしれませんが、いかに良い人材を獲得するか、育てていくかということこそが最終的に利益につながるのではないでしょうか。今こそ「人は石垣、人は城」を思い出すときではないかと。(小林太一)