桜井充メールマガジン

桜井充メルマガ:「答えは一院制ですか」

2012年02月16日 (木) 17:59
 ねじれ国会の運営は難しい。以前にも書いたことだが、過度な権力闘争を繰り返していると、政治は停滞し、社会に悪影響を及ぼす。この解決策は一院制であり、参議院不要論となるのはいかがなものだろうか。
 自分の思うようにならないからと言って、それを壊せば問題は解決するというわけではない。さらに言えば、ある側面からだけ物を見て、判断することは極めて危険である。
 確かに、参議院は再考の府、あるいは良識の府と呼ばれていたのだが、ねじれ国会以降、権力闘争の府になっている事は否定できない。これは、民主党政権の時だけではなく、自公政権の時も同様であった。
 このことをすぐに解決できるわけではないが、私は、自民党の林芳正議員と日本型国家を目指す会を立ち上げ、ねじれ国会の問題解決に向けて議論を重ねている。要するに、安易に壊すことではなく、運用上で解決する道を模索している。
 日本の二院制の問題点は、衆参とも同じ問題を議論し、衆議院の優位性はあるものの、参議院の力が強いという事である。これは、二院が存在するという問題ではなく、二院の機能分化が不十分であるところに問題がある。参議院は6年間と任期が定められているのだから、年金のように与野党が対決するべきものではなく、しかも十分な議論を行うべきものを扱うというように、役割を明確にすれば良いのである。
 さらに、選挙制度も似てきており、衆参でほとんど差がなくなってきている。民意の反映は、一つは人口比例、そしてもう一つは地域代表である。憲法上の制約はあるのかもしれないが、例えば、衆議院は人口に応じて、そして参議院は地域代表性にというように、選挙制度も大きく変えていく必要があるのだと思う。
 この選挙制度に限らず、最近の政治は壊すことが中心になっている。壊した後の社会像が明確ではないので、混乱しているのである。安易に壊すのではなく、機能を変えていく事の方が重要ではないのかと考えている。
                   参議院議員・医師 桜井 充

【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
 先日、中小企業政策を考えていたところ、ふと企業の開業率の統計が目に入りました。実は、日本の開業率はOECDでもワースト1,2を争うほど低い4%台であり、それを廃業率が上回っている状態が続いています。このような開業率が低い状況は日本の伝統かというとそうではなく、1960年代後半からバブル崩壊まではおおよそ6~7%の開業率を誇っていました。
 なぜここまで起業が難しいのか。中小企業庁の資料によると原因の上位に「開業資金の調達」「質の高い人材の確保」が挙げられています。ベンチャーキャピタルによる投資も他国と比較して未だ少ない状況です。自己資金がないと開業できず、起業者のみが大きなリスクを背負ってしまう状況は改善する必要があるのではないかと思います。
 一方、日本の政治を考える上でも、同様の問題があるのではないでしょうか。そもそも、議員も元々は一民間人であったわけで特別な人間ではありません。起業同様、政界にチャレンジするハードルは未だ高く、高額な選挙資金や落選後のリスクが大きい事も見直す必要があると思うのですがいかがでしょうか。供託金にしても、他国と比較してかなり高く設定されています。
選挙費用を候補者自身が負担するのであれば公認を出すという政党がある事も聞いたことがあります。「政治家は富裕層でなければならない」ということであれば、これはこれでありなのかもしれませんが、小生はそう思いません。全くの私見ではありますが、最近の議論にこの観点が抜けているように思うのですがいかがでしょうか。(小林太一)